
全国のリサイクル企業の中で、大変珍しいと評価いただいているのが、ヒラキンの「技術開発部」。精緻なリサイクルを実現するために製造者目線の新たな設備や技術を生み出し、みずから進化していくための牽引役としてスタートしました。
以後、社内からはもちろん、家電メーカーや素材メーカーから要望や課題をいただき、共同で研究開発を進めながら、求められる答えを一つずつ出してきました。課題は常にあり、解くまでに何年も要するものも珍しくありません。毎日が「もっとこの製品のリサイクル率を上げよう」「これを分別できるようにしよう」という挑戦の連続です。
金属やプラスチックの特性を活用し、ラインのどこでどのような処理を施して分解選別を徹底するか、どの方式を採用するか、機械の組み合わせや順番をどうするか、各装置の機能を最も有効にするために材料をどう流すか、など、試行錯誤を重ね、オリジナルの設備とノウハウを育てています。
既製品の機械を据えればうまくいく、というものでは決してなく、実験レベルから実操業にたどり着くまでには、さらに調整や改良が必要です。その点、グループ企業の中に機械製造やメンテナンスを専門とする「ヒラキンテック㈱」があり、自前で機械設備を作ることができるのも特徴であり強みです。共同研究していく過程で必要な道具や装置が出てきたら、オリジナルなものを製作してきました。
複合素材によるものづくりが複雑化する状況の下、技術開発部では家電に限らず持ち込まれるあらゆる製品のリサイクルに対して、「ミックスメタルの国内での選別」「ミックスプラスチックからの単一素材別回収」「電子機器などから希少金属の回収」「シュレッダーダストの資源化」の4つを、重要な柱に設定しています。
技術開発担当者は、世の中にある機械や技術をいかにうまく組み合わせて、目的とする4つの課題を実現していくかが腕の見せどころ。「処理」ではなく、いかに高付加価値の原料を生み出すかを追求しています。
研究室で試験管を振っているのではなく、作業服を着て現場で実験したり考えたりしている時間が長いのも、ヒラキンの技術開発部の特徴といえるかもしれません。机の上でも考えますが、結局は現場を見ないと分からないことが多く、一番詳しいのはいつも機械を動かしてラインで働いている現場の社員たち。分からないことを聞きながら、一緒になって作業をする中で、実際にものを触ってみて、頭で描いていたことが間違ってないかと確認したり、新しいアイデアが浮かんできたり。現場は重要です。
また、新しい技術を開発するばかりではなく、メーカーサイドの声に耳を傾け、「リサイクル素材をこういうふうに使いたい」「こんなものがあると助かる」「そのためにお互いにどういうふうに協力しあえるか」といった意見交換をとても大切にしています。その中で気づきや信頼関係が生まれ、より良い資源化のための技術開発につながっています。
「ヒントは常に現場にあり」。
真剣勝負のやりとりの中から新たな技術が生まれていきます
「ヒントは常に現場にあり」。
真剣勝負のやりとりの中から新たな技術が生まれていきます